久々のBlogアップでととなりました。STB139でのFebian Reza Paneとのスペシャル・コラボから始まり、ソロドラムで5月2日の奈良まで巡ったTerry Bozzioのソロ・ドラム・ツアーが終了し、すでに2週間がたちました。Terry本人の満足度も高い充実したツアーになりましたことに関し、皆様のご支援に多いに感謝申し上げます。遅ればせながら簡単な回顧録をアップさせて頂きます。
今回のツアーは4月25日STB139に於いてのピアニスト、Febian Reza Paneとのコラボレーションでスタートしました。当日ご来場の皆様には簡単にご説明申し上げましたが、これはまったくの初顔合わせで、本番に先立って23日に行った顔合わせセッションの日まで、両人は電話はおろか、直接のメールやり取りすらなく実現となりました。これはFebianの作品をピアノソロ4枚、トリオによるライブ1枚を企画・制作・発売させて頂き、そしてこの3年間、Terryと濃いお付き合いをさせて頂くこととなった私が、インプロヴィゼーションならば・・・と言うことで、言わば無理やり結びつけたと言っても過言ではない企画でした。直接的接点は2人の間に皆無であったのは事実ながら、強いてあげれば、Febianは2007年1月、18年ぶりのTerryの来日機会となったOut Trioの東京公演を見ていました。そして2007年秋のソロ・ドラム・ツアーのときに、Febianのソロ・ピアノCD『天空への礼賛』をTerryに聞いてもらった結果、「いずれ一緒に何か出来れば・・・」と漠然ながら感じさせる好印象をTerryが持っていたことは、それぞれ明確に思い出されます。
いずれにせよ、23日にマイクも何もないスタジオで私が目の当たりにしたものは、想像をはるかに超越した2人の俊英なるクリエーターが生み出す完成度の高い“芸術作品”でした。
2人が当日、演奏前に交わした言葉は、本当に一言二言の挨拶のみ。レコーディング、ライブ・・・いろんな音楽の制作現場に携わってきましたが、これほど準備無く自然と始まった演奏はまるで初体験。この初顔合わせでの30分、45分、20分の3セッション自体が、“至福の体験”でした。
何よりも忘れがたいのは、Terryの満足度の高い笑顔でした。
ピアノと巨大なドラム、音量はぜんぜん違いますし、難しさもあります。しかしながらこのTerryとFebianの出会いは、自由奔放かつ非常に高度な即興芸術を生み出す、世界にも類を見ない最強のアコースティック・ユニットの誕生だと言って過言ではないと思います。
そしてSTB当日。ドラム・セッティング完了後、チューニング、パーツの微調整に結構手間取り、結果的に2人でリハとして演奏できたのは5分間、アンコールに用意したFebianの曲のみ。それでも23日の入間での初顔合わせがお互いにとって手ごたえ十分なものであった為、2人とも何の不安も無く本番に臨むことが出来ました。
Terryのパワフルなドラミングだけを見たかった方には、物足りなく感じてしまう面はあったかもしれません。
ただ生まれたサウンドが、2人のトップクリエイターの共同作業による瞬間芸術であったことは、ご覧頂いた方々はお感じ頂けたと思います。また2人の、特にTerryの満ち足りた笑顔は、皆様の脳裏にも焼きついたことと思います。
昨年11月の一連のコラボは、どれもTerryにとって有意義で楽しく、またやりがいのあったものでした。今回の生ピアノとのコラボは、ドラム同士、ツインドラム+エレキベース、さらにエレキギターと言った内容のものに比べ、よりナチュラルで音楽性、自由な創造性に富んだモノだったと言えます。今後逆に海外展開も含め、このユニットの継続は、TerryにとってもFebianにとっても“確定的”なものとなったことは間違い有りません。
本年も11月にTerryの新たなコラボ・ツアーを予定(6月前半発表予定)しておりますが、2010年必ずこのBozzio&Paneのユニットは再稼動いたします。2人ともよりよいものを生む自信に満ちて再会を約束しております。Terryの巨大ドラムセットを使ってのチャレンジは、より多くの方々・・・Terryを知らなかった皆様や若い世代の方々・・・にお届けすべき、スケールの大きく長期的ものとして続いてゆきます。ご期待いただくと供に、ぜひご支援くださいませ。
さて、この素晴らしい一夜を追え、機材班はそのまま夜走りで福井へ移動。ソロドラム公演の1本目、福井駅前の響のホールへと向いました。ここは席数215の小さいながら大変綺麗で心地の良いホール。
2007年のソロドラムツアー含め、日本で初のホール公演となりました。音響、照明供に非常に良い感じで、Terryもいきなり“ベストプレイ”と言っても良い演奏をすることが出来ました。
1日オフを挟んで次は神戸。三ノ宮の駅から数分のチキンジョージに初出演。
昨年新装オープンしたばかりのチキンも無事終了で、機材班は今度は夜走りで高知へ。福井、神戸、高知はTerryにとって初出演の3連荘。4月末の文字通り萌える新緑の四国山脈の風景を堪能して高知入りしたTerryは、素晴らしい演奏を残し、初めて巨大セットとTerryのドラミングを生体験する観衆を満足させました。
高知よさこい祭りの主役である鳴子も、この高知公演よりTerryの小物に加わりました。
旬を迎えたかつおのたたきも堪能して高知をあとにし、大阪へ。大阪はSTB139と並んでTerryにはお馴染みの会場。
基本的に出演したことの無い会場で・・・と言うコンセプトで組んだツアーですが、大阪BIGCATへの出演を決めたのは、4月がBIGCATの10周年祝賀月だったからでした。ステージ上でのコメントで「10周年おめでとう」を言いそびれたという事をちょっと悔やんだのはありましたが、充実した演奏を残すことが出来ました。
そして最終公演は奈良、大和郡山のやまと郡山城ホール。今回は福井のホールで始まり、奈良のホールで締めくくる形となったのですが、サイズ・キャパ的には響のホールより2回りくらい大きい300名の会場。
着席スタイルでやってきたこの3年間での会場で一番大きな規模となりました。お蔭様でほぼ完売の満員御礼状態。Terryもツアー最終日にホールでしかも満員のお客様にむけての演奏で締めくくることが出来、大変満足でした。最終公演でしか出来ないちょっとした企画として、終演後、お客様にステージ上でドラムセットのまわりを歩いて見て頂けるサービスをしました。
半分程度の方々が残るかと思いきや、ほとんど全員の方が残り、ステージ上でドラムを見学。関西エリアのリピーターのTerryファンの皆様から、高校生の皆様まで、その巨大セットを間近に見て頂き、思い出の締めくくりとして頂くことが出来ました。
STB139を含め計6本。ご来場いただきました皆様に、心より感謝申し上げます。
&Forest Music