2008年1月22日火曜日

Allan Holdsworthツアー終了



大阪 BIGCAT 公演

Jazz Rock Super Guitaristシリーズとしてすでに3度目となったツアーは、大阪公演~仙台公演まで全5本、無事終了いたしました。Gary Husband、Jimmy Johnsonとのトリオは20分程度のNAMMショウ(カリフォルニアで毎年行れる楽器業界の見本市)での演奏があった以外では、2000年以来8年ぶりの実現でした。多少ツアーの裏話を書かせていただきますと、結果的に初日となった大阪公演では、十分にリハーサルをしたいと言う要望に、10時AMからピアノの調律を入れ、調律と平行してセッテュングを開始、メンバーの希望通り12時からサウンド・チェック、リハーサルの開始となりました。大阪公演は18時半開場だったので、18時まで最大6時間リハーサルが出来る体制でスタートしたのです。ところがなんと、事実上サウンドチェックが始まった12時半から1時間後の13時半にはリハ終了になってしまったのです。これは決して“いいかげん”と言うことではないと思います。本当に信頼しあったトップクラスのプロにだけ可能な驚きの世界だったと思います。私もコンサートの現場にはいろんな形で25年近くからんで来たのですが、その経験上も考えられないことでした。ショウの個性的に今回のツアーは若干短めであったことは事実かもしれませんが、手抜きの無い本気プレイであったことはごらん頂きました皆様にはお解り頂けたかと存じます。

Holdsworth、Johnsonの流麗なプレイスタイルの孤高さは言うまでもありませんでしたが、Husbandの二人の個性的トップ・プレーヤーを立てながらも、あたかも二人に異種格闘技を挑むかのようなHusbandのドラミングはツアーを、シリーズ1回目のWackermanの時とも、Pasqua/Haslip/Wackermanの時とも違った特別なものにしたと思います。私は個人的には2006年の6月にGary BoyleのリハーサルでロンドンのスタジオでGaryのプレイは見ておりましたが、オーディエンスを前にしてのHusbandの本格演奏を目の当たりにしたのは今回が初めてでした。荒々しく、力強く、奔放なアイデアに満ちたプレイは素晴らしいの一言に尽きましたが、Allanもそのプレイには改めて開眼状態だったようです。
名古屋 Bottom Line公演
名古屋公演後だったか・・・『Garyのプレイで自分もがんがん弾きまくる気になった』と言っていました。Garyの奔放なパワーがAllanを“ターボ・スイッチ・オン”状態にしたのです。
東京 STB139公演
東京2公演もGary、Jimmyとも記録用の録音をぜひくれと欲しがる出来でした。最終の仙台は同じ流れの内容でしたが、本編最後でのGaryのドラムソロが強烈であったのももちろんですが、その後のアンコール「Red Alert」のエンディングでも短めながらドラム・ソロ・・・燃え尽きてくれました。終演後“エンディング良かったね”と声をかけると“俺って馬鹿だろう”っと言っていたGaryですが、本当に強く印象に残る熱演を残して行ってくれたと思います。
仙台公演の翌朝6時にホテルを立ったJimmyも空港への道すがら、「あいつは特別な奴だ。ドラムとピアノと言う2つのぜんぜん違う楽器で抜きん出た才能を持っているからね。独特のタイム感で相性の悪いベーシストもいるだろうけど、俺はGaryは大好きだ・・・」と言っていました。Allanも16日成田への道すがら同じく「Garyは本当に素晴らしい。時に俺のことを笑せるくらいやってしまうけど、大好きだね。いろいろ今後やってゆきたいことがあるけど、I.O.U.のリメイク盤を作りたい・・・もちろんGaryと・・・」と言う言葉を残して帰ってゆきました。

Garyが2年前、弊社企画のGary Boyle公演に来れなかった理由は、腰痛が主たる原因でした。今でもコルセットを使用し、サウンドチェック時には着用のまま、本格的リハーサルで外して演奏と言った状態のGary。初日大阪でのすさまじいハイ・パワードラムソロの後、「今日はやりすぎた。明日からはあんなには出来ないよ」と言っていたGaryでしたが、結果的には最後の仙台まで毎日激しくなり続けていた感すらありました。ドラム好きな私からGaryに送る言葉があるとすれば、何よりも体を大切にして、そのバイタリティー溢れる奔放なプレイを永く続けて欲しいと言うことです。

今年はアメリカ、ヨーロッパでもこの3人でのツアーが実現するかもしれません。弊社企画では毎回違ったラインナップでAllanのツアーをお楽しみ頂いておりますが、いずれまたGary、Jimmyを伴ってのトリオを招くことが出来れば良いと思う次第です。

All text and photos by Naoju Nakamura

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